AIブームの未来は?AIハードウェア依存からプラットフォーム企業への転換と投資戦略

作成日:2025/06/07

|お金の物語 第13話|AIブームの先に起きる、次なる“変化のサイン”

AIバブルは、もう崩壊し始めているのか?

いま市場には、じわじわと──
ある“違和感”が広がりはじめています。

AIブームの主役、NVIDIA
その株価をめぐって、静かにうごめく「兆し」があるのです。

果たしてこれは──バブル崩壊の前触れなのか?

──先に、結論をお伝えしましょう。

答えは「もちろんNO」。

けれど、それだけでは終わりません。
AIの物語は、いま確実に“転換点”を迎えています。

インフラの時代は過ぎ、これからは「応用」へ、そして「長期戦略」へと、
流れが静かにシフトし始めているのです。

私たちはいま、新たな産業革命の入り口に立っています。

そこには、期待もあれば、不安もある。
時に、混乱や対立も避けられないでしょう。

しかし、この新しい産業革命は、
今後50年間の人類の発展を牽引する中核エンジンとなることは間違いありません。

そしてそれは、人類史上もっとも輝かしい時代の幕開けでもあるのです。

未来を形づくる、いくつかの重要なサイン
これからあなたと一緒に、ひとつずつ解き明かしていきましょう。

お金の物語、第13話。
どうぞ最後までご覧ください。

AIはこれからどこへ向かうのか? 静かに動き始めた未来の兆し

でも── 実際にこの先、AIはどこへ向かっていくのでしょうか? もしこれが、単なる一過性のブームではないとすれば── いま、何が静かに動き始めているのか?

そのヒントは、「AIが支える未来技術」の中に、そっと隠されています。 実は私たちの知らないところで、AIはすでに── 医療、エネルギー、宇宙開発、そして人間の身体の限界にまで。 静かに、でも確実に、革命をもたらし始めているのです。

これから私たちは、そんな“未来の断片”をひとつずつ旅していきます。 そこには── 次の時代の主役たちが、もうすでに動き出しているのです。

私たちは今、静かに訪れつつある“次の時代”の入り口に立っています。 その変化を象徴する、いくつかの領域を── そして、そこに秘められたAIの役割を、 未来という地図の上で、一緒にひも解いていきましょう。

1|量子技術──AIが導く、見えなかった世界の構造

新薬の開発、気候のシミュレーション、複雑な分子構造の解析──これまで人類が「複雑すぎる」と諦めてきた問題に、AIと量子コンピュータが今、タッグを組んで挑んでいます。

さらに、盗聴が理論的に不可能とされる「量子通信」も急速に進展しています。AIはこの量子通信の監視や最適化を担い、国家の安全保障や金融システムの再構築にも深く関わり始めています。

そして、もうひとつ注目すべき技術が「量子センシング」です。高精度ナビゲーション、脳の医療画像、軍事測位の精度を飛躍的に向上させ、現実世界の“見えなかった部分”をAIと量子技術が読み取ろうとしています。

これは、現代科学が見落としていた「解像度」の革命かもしれません。

2|核融合エネルギー:不可能と呼ばれた夢に、AIが灯す最適解

AIの進化は、人類最大の夢のひとつにも静かに火を灯し始めています。その夢とは──「核融合エネルギー」です。

もし核融合エネルギーが商業化されれば、電力コストは限りなくゼロに近づき、エネルギーの地政学も一変すると言われています。

2022年、アメリカのローレンスリバモア国立研究所で、「エネルギー収支が黒字化された」という歴史的なブレイクスルーが起きました。その背景には、膨大な実験データを解析し、反応制御の最適化を支えたAIの存在があります。

長年「不可能」と信じられてきた方程式に、AIが答えを出しつつある──そう考えると、未来が一気に近く感じられます。

3|長寿科学とバイオ革命:AIが支える生命の再設計パートナー

かつて「神の領域」とも言われた遺伝子操作や老化の制御。しかし現在、その最前線では人類が“生命”そのものを書き換えようとしています。

AIは医師ではなく、「研究者の相棒」として進化を支え、医療画像の解析、治療法の予測、薬の候補提案など多方面で活躍しています。

注目のバイオ技術

  • CRISPR(クリスパー)
    狙った遺伝子を正確に書き換える画期的な遺伝子編集技術。
  • 3Dバイオプリンティング
    生きた細胞を使って人工臓器を立体的にプリント。移植医療の未来を変える可能性。
  • Senolytics(セノリティクス)
    老化細胞だけを選択的に除去し、がんや認知症、老化関連病の予防が期待される薬剤。
  • NAD⁺(エヌエーディープラス)サプリメント
    細胞のエネルギー代謝を支える物質で、加齢とともに減少するため補う研究が進行中。

これら最先端のバイオ技術は、私たちの寿命を延ばし、健康に生きる道を模索しています。そしてAIはその中で、すでに欠かせない存在となっています。

AIが人の生命に深く関わる領域へ踏み込もうとしている今、それはまさに新しい未来の形を示しているのかもしれません。

4|脳機能インターフェースとロボティクス:身体の限界を乗り越えていく技術の旅

私たちの「意識」が機械と直接つながる──これはもはやSFの話ではなく、現実の技術開発として進んでいます。

例えば、イーロン・マスク氏が関わるNeuralink(ニューラリンク)では、ブレイン・コンピュータ・インターフェース(BCI)技術の研究が進んでいます。

BCIとは、脳に小さなチップを埋め込み、人間の“意思”を読み取ることで、麻痺のある人が身体を動かしたり、ロボットやコンピューターを思考だけで操作できるようにする技術です。

現在は医療支援が主な応用ですが、その先には「人間の脳をアップグレードする」という未来的な構想もあります。

一方で、AIを搭載した人型ロボットも家庭や工場など私たちの身近な場所に入り始めています。

こうした“身体を持ったAI”は、AIの具現化とも呼ばれ、介護や労働の現場に大きな変化をもたらそうとしています。

AIはもはや“頭脳”だけの存在ではなく、人間の身体の延長線として共に働く存在へと変わりつつあります。

それは、私たち人間の体の限界を乗り越えていく、技術の旅の始まりなのかもしれません。

宇宙経済:地球の外でAIが働く時代

次なるフロンティア──それは、地球の外に広がる“宇宙”です。いま、月の開発をめぐってアメリカと中国が水面下で競争を始めています。エネルギーの拠点として、あるいは軍事戦略の要として、月はまさに新たな地政学の舞台になろうとしています。

さらに注目されているのが小惑星の採鉱です。レアアースやプラチナなどの貴重な資源を求めて、「地球の外に広がる資源経済圏」が静かに動き出そうとしています。そして、宇宙空間に浮かぶ太陽光発電衛星。日本の三菱重工は軌道上での実証実験をすでにスタートさせています。

こうした未知の環境では人間の判断だけに頼るのは難しいため、AIが人工衛星のデータを分析し、軌道計画を最適化する“頭脳”として宇宙でも活躍し始めています。宇宙経済はもはや夢物語ではなく、AIとともに進む現実のシナリオとなりつつあります。人類はいま、地球という枠を超え、新しい経済活動を本格的に描きはじめています。

汎用人工知能(AGI)とスーパーAI:すべての進化の果てに

そして、最後にたどり着くのが──AGI(エージーアイ)。汎用人工知能と呼ばれる、人間と同じようにあらゆる課題に対応できる知性のことです。これまでのAIは、特定のタスクに特化した「狭いAI」でしたが、AGIは幅広い知的活動を1つの頭脳でこなせる、まさに“人間のような知能”を目指しています。

さらにその先にあるのが──スーパーAI。それは、人間の知能をはるかに超える存在。人類の課題を一瞬で解決する可能性を秘めながらも、制御不能というリスクもはらんでいます。

「それはまだ、遠い未来の話だろう」そう思うかもしれません。けれど今この瞬間も、世界中でAGIの開発に莫大な資金と才能が集まっています。

もしそれが実現すれば、医療、法律、教育、経済、芸術──あらゆる産業や知識体系が、根底から再定義される可能性があるのです。

ただし、それは「万能の希望」であると同時に、深いリスクもはらんでいます。雇用の消失、偽情報の拡散、そして倫理の空白──。AGIは、人類の問いに答えるだけでなく、人類そのものを問い直す存在になりうるのです。

すべての進化の果てにある、その可能性。私たちは今──確かに、その扉の前に立っています。

ところが──最近、こんな言葉をよく耳にするようになりました。「AIバブルは、もう終わった」……。でも、それはまったくの誤解です。AIは今、“崩壊”ではなく“進化”のフェーズに入ったのです。

これまでの数年、世界中の資本はAIモデルの学習、インフラ整備、GPUの爆買いに集中していました。それがいま──現実の課題をどう解決するか、どう収益を生むか。応用と実装というフェーズへと、静かにシフトしつつあります。

つまり、資本が離れたのではなく──焦点が「次のステージ」に移っただけ。そして、その“次の主役”として、ある企業が今、世界の注目を集めているのです。

そして──その進化の最前線を支えている企業が、NVIDIAです。元は“ゲーム用グラフィックチップ”を作っていた企業が、いまやAI革命の“心臓部”を握る存在となっています。

ChatGPTのような生成AIが動く裏側では、NVIDIAのGPUが膨大な演算処理を支えています。単なる半導体企業ではなく、「AIという文明のインフラ」を築くエンジン。なぜNVIDIAが、これほどまでに注目されるのでしょうか?その理由を、もう少し深く掘り下げてみましょう。

NVIDIA(エヌビディア)の株は買いか?

今、AIインフラの象徴とも言える存在──
NVIDIA(エヌビディア)の株は、果たしてまだ「買い」なのでしょうか?


AIバブルを支えた主役企業の一角

NVIDIAはAIバブルを支えた主役企業のひとつとして、
その株価もこれまで爆発的に伸びてきました。


NVIDIAが直面する岐路とは?

しかし今、NVIDIAはある大きな岐路に立っています。
かつては「AI用のハードウェアを供給する企業」でしたが、
いま目指しているのは──
AI応用を支援するプラットフォーム企業への進化です。


売上の9割近くを占めるAIハードウェア依存

ただし、現実はまだそこまで追いついていません。
現在の売上の約9割近く(88.7%)は、H100などのAI基盤ハードウェアに依存しています。


市場の空気は変わり始めている

市場の空気はすでに変わり始めています。
これまでの「ハードウェア増強」から、
「ソフトウェアの最適化」へと静かにシフトしつつあるのです。

NVIDIAのCEOジェンスン・フアン氏に注目が集まる理由

2025年4月〜5月の世界各地への短期間の訪問

2025年4月17日〜18日に中国を訪問し、5月13日に中東、5月16日に台湾を訪問しました。わずか1ヶ月間で、中国、中東、台湾と各地を立て続けに訪問しています。

本当に企業が安定しているなら、CEOがここまで世界を飛び回る必要があるのでしょうか?

フアンCEOの大量株売却と幹部たちの動き

さらに気になるのは、その資産の動きです。2024年6月から9月の数ヶ月間に、フアン氏は自社株を600万株、約7億1,300万ドル分売却しました。

加えて、CFOや副社長などの幹部たちも合わせて約6億7,700万ドル分の株を手放しています。

健全な利益確定か、それとも隠れた変化の兆しか?

これはただの「健全な利益確定」なのでしょうか?それとも何か、見えていない変化の兆しなのでしょうか?

NVIDIA株に流れ込んだマネーの時系列分析

2018年ごろ:長期資金による初期の買い

2018年ごろ、年金ファンドなどの長期資金が、まだNVIDIAの株価が低かった時期にまとまった買いを入れました。

2022年以降:中期的資金の市場参入

AIモデルの進化に伴い、2022年以降、中期的な資金もNVIDIA株市場に参入してきます。

2022年11月30日:ChatGPT登場による機関投資家の注目

ChatGPTの登場をきっかけに、NVIDIAは一気に世界中の機関投資家から注目を集める存在となりました。

2023年:空前のAI投資ブームと個人投資家の参入

2023年には空前のAI投資ブームが到来し、個人投資家も続々とNVIDIA株に飛び乗りました。

2024年〜2025年:報道過熱と機関投資家の利益確定

2024年から2025年にかけてAI関連の報道が過熱する中、個人投資家がピークタイミングで買い始める一方で、機関投資家たちは静かに利益を確定し始めています。

現在のNVIDIA株価の動向と市場の課題

現在、NVIDIAの株価は110ドルから140ドルのあいだで、高値揉み合いが続いています。

ファンドは本当は売却を進めたいものの、個人投資家の買いが追いつかず、価格は“高止まり”したままの状況です。

このままファンドの売りが一巡すれば、NVIDIAは2000年当時のIntelのような道をたどる可能性があります。技術力はあっても、市場のニーズが飽和すれば株価は横ばいになるという現象は、かつてのITブームでも見られました。

さらに現在のAIインフラは非常に高コストで、国家予算ですら追いつかない可能性があります。これは今後の成長にとって大きな課題となりうるのです。

NVIDIAの未来は2つの分岐点に立っている

NVIDIAの未来は、2つの大きな分岐点に立っています。

① 新たな収益源の確立で株価が過去最高を超える未来

AIの応用支援、たとえば自動運転やロボット、クラウドAIなどの分野で新しい収益源を築き、株価がふたたび過去最高の153ドル13セントを超えていく可能性があります。

② 成功に失敗し、株価が伸び悩む未来

それに失敗し、かつてのIntelのように、良い企業でありながらも株価が伸び悩む可能性もあります。

投資家が取れる3つの戦略

ここで、私たち投資家が取れる戦略を3つにまとめました。

  1. 高値圏で一旦利益確定し、153ドル13セントを明確に超えてから買い戻す。
  2. 明確な損切りラインを設定する。たとえば、110ドルを下回ったら売却する。
  3. 何もせず、NVIDIAを長期保有する。

また、「一部売却・一部保有」というハイブリッド戦略もあります。たとえば、50%を売却し、残りの50%は保有するという考え方も有効です。

最後に:

今日お伝えした内容が、あなたの投資判断や視野を広げる、ひとつのヒントになったなら、とてもうれしく思います。

これからも、トレンドの“変化点”を深掘りしながら、知識と分析力で武装した投資ライフを応援していきます。

知識と分析力をあなたの武器に変えて、投資人生をもっと豊かに、もっと幸せにしましょう。

それでは──次回の記事もお楽しみに!