【徹底解説】トランプ政権が再登場したら世界はどう変わる?アメリカ経済と日本の未来を読み解く
作成日:2024年11月10日
2025年:トランプ政権再登場で広がるビジネスチャンスと資産運用戦略
グローバル経済の「風向き」を読む:米中貿易摩擦・関税政策から日本市場まで徹底予測

再びトランプ大統領が政権を握ったいま、アメリカ経済政策はどのように変化し、米中貿易摩擦や関税政策の激変が日本や世界の金融市場、資産運用にどんな影響を与えるのか──今こそ徹底的に読み解く必要があります。
世界が変わるとき、そこには必ず新たな投資チャンスや大きなビジネス変化が待っています。これからのグローバル経済のトレンドを、冷静に、そして前向きに捉えていきましょう。
アメリカを再び偉大にする戦略
工業生産力回復が鍵
「アメリカを再び偉大にする(Make America Great Again)」はトランプ政権の中核理念です。その実現には、工業生産力の回復が最も重要なポイントとなります。
グローバル化がもたらした産業空洞化
1992年のソ連崩壊後、アメリカはグローバル化と自由貿易を推進。1995年にWTO(世界貿易機関)が設立され、多くの企業がコスト削減と利益拡大のために生産・調達を海外へ移転しました。その結果、国内の製造業が衰退し、商品が金融商品化する現象が進行。国際競争力の低下を招きました。

トランプ流・関税引き上げと減税のセット
関税強化で輸入を抑制
トランプ政権は関税政策を強化し、中国製品に最大60%、その他国に10%の関税を課す計画です。これにより輸入を抑制し、国内製造業の保護を図ります。
法人税引き下げで企業誘致
法人税率はオバマ政権時の35%から、トランプ政権で21%に引き下げられ、今回はさらに15%が予定されています。アメリカという巨大消費市場での減税は、海外企業を米国に呼び戻し、雇用創出と投資環境の改善を促進します。
市民支援策としての免税
サービス業のチップ収入や高齢者の年金収入に対する免税措置も進行中。飲食・配達業では収入の約3分の1〜半分がチップ由来とされ、可処分所得の増加は消費刺激にもつながります。

財源確保のための支出見直し
減税による税収減は、関税収入や同盟国への国防費増額要請、駐留費負担で補填。また、気候変動対策や各種国際協定からの脱退により、不要な支出を削減し、「アメリカ第一主義」に集中します。

外交重視と戦費削減の現実路線
戦争はコストがかかりすぎる
トランプ大統領は「戦争は問題解決にならない」という考えを持っています。彼にとって、外交交渉や経済的な圧力は、戦争よりもコストパフォーマンスが高く、現実的な手段とされています。
そのため、軍事支出や軍事援助の停止に積極的で、支出の抑制を通じて国家の財政健全化を図ろうとしています。
ウクライナ戦争の今後
ロシアとウクライナの戦争についても、トランプ大統領は停戦協定による終結を視野に入れています。これは韓国と北朝鮮の関係のように、明確な勝者も敗者もない形で、対立が一時的に凍結されるシナリオです。

さらに、ウクライナ東部の一部地域の独立といった地政学的な再編が起こる可能性も指摘されています。これらの動きは、日本やアジア地域にも大きな波及効果をもたらすでしょう。
日本にとっての新たなチャンス
経済戦略の見直し期
アメリカが軍事と経済のバランスを大きく変えていく中で、日本にとってもこれは経済戦略を再構築する絶好のタイミングです。
特に、以下のような成長分野において、国際協力や投資のチャンスが広がりつつあります。
- 先端技術・人工知能(AI)
- ビッグデータ・IoT
- クラウドコンピューティング
- 航空宇宙・新素材・バイオ医薬
- 電気自動車(EV)・次世代製造

日本がとるべき戦略とは?
日本は、アメリカや中国のような巨大消費市場を持たないため、自国の強みを他国のニーズと結びつけることが重要です。自分たちが「作りたいもの」ではなく、世界が「欲しがるもの」を提供する視点が求められます。
グローバルな潮流を見極め、未来の需要を先取りすることが、これからの日本企業や投資家に求められるスキルとなるでしょう。
中国への高関税と経済構造の変化
アメリカのターゲットは「中国」
トランプ大統領は関税政策を強化しており、特に中国に対しては60%という非常に高い関税を課すと明言しています。一方で、他国への関税は10%にとどまっており、これにより中国だけが狙い撃ちされている構図が見てとれます。
この結果、中国はこれまでの輸出主導型経済から、内需・消費主導型への転換を急速に進める必要に迫られています。中国政府もその流れを受け、国内消費の拡大政策を強化しています。
日本企業にとってのビジネスチャンス
この変化は、日本の中小企業や製造業にとって、新たなチャンスとなる可能性があります。例えば、毎年上海で開催されている「中国国際輸入博覧会」は、中国市場に入り込む絶好の機会です。

製品や技術を持つ日本企業が、中国の消費需要を的確に捉えることができれば、輸出以上の成果を得られるかもしれません。
トランプ政権の規制緩和と市場環境
環境政策から暗号通貨まで、広がる自由化の波
トランプ大統領は規制緩和を積極的に進めており、特に環境分野では過剰な環境保護政策に反対しています。また、人工知能(AI)や暗号通貨に対してもオープンな姿勢を取っているのが特徴です。
この流れは、石油化学産業などエネルギー分野の企業には追い風となり、また暗号通貨に投資する人々にとっても歓迎される動きです。
ただし注意点も
現在の市場は多くの資産が高値圏にあり、トレンドに乗る前に冷静な判断が求められます。政策が追い風になるからといって無条件に飛びつくのではなく、リスク管理も忘れてはいけません。
アメリカ国債と利回りの変化
国債の構造にも変化が
トランプ大統領は、軍事やインフラ投資を重視する姿勢を維持しており、それに伴い国債の発行は避けられない状況です。
さらに、2024年10月には、アメリカの中央銀行(FRB)が方針を変更し、長期国債の購入を停止、代わりに短期国債の購入を開始しました。

利回りと価格の予測
この政策転換によって、長期国債は「供給増・買い手減少」による利回り上昇・価格下落が予想されます。一方、短期国債は需要が増えるため、利回りは下がり、価格は上昇する見込みです。

金利の動きは投資やローン、資金調達コストなどに直接影響を及ぼすため、日本の個人投資家にとっても見逃せない動きです。
金(ゴールド)と通貨システムの未来
ドル離れと「金」への注目
トランプ大統領が進めてきた一連の経済政策は、アメリカの経済力を再強化することを目的としています。しかし、その影響は国内にとどまらず、世界の通貨システムや経済サイクルにまで波及する可能性が出てきています。

特に注目すべきは、ウクライナ戦争中のロシア資産凍結です。この出来事は各国に大きな衝撃を与え、貿易決済における「ドル依存からの脱却」という動きが広まりました。実際に、いくつかの国々ではドル保有を減らし、金の保有を増やす方針を取り始めています。
金は「中央銀行にとっての最後の信頼資産」とも言われており、通貨発行の裏付けとして再評価されているのです。
パラジウムや銀も追いつくのか?
この「金」への注目が続けば、パラジウムや銀などの貴金属も価格が上昇してくる可能性があります。金と比べてまだ遅れているこれらの価格が「追いつく」かどうかも、投資家としては見逃せないポイントです。
ただし、もしトランプ氏がロシアに対する制裁を緩和または解除した場合、金価格には一時的な調整が入る可能性もある点は注意が必要です。
すべての変化には必ず「原因」と「結果」がある。つまり、「なぜそうなったか」を冷静に読み解けば、未来の動きもある程度予測できるのです。
ドルと企業回帰のジレンマ
企業をアメリカに戻すために
トランプ大統領は、企業のアメリカ回帰を重要視しています。海外へ移転していた拠点を再びアメリカに戻すことで、雇用や産業を国内に取り戻すという戦略です。
ただし、ここで大きな壁となるのが「強いドル」の存在です。ドルが強くなれば、海外からアメリカに製造拠点を戻すコストは高くなり、企業の負担が増えることになります。

為替のタイミングが鍵
このため、企業のアメリカ回帰には「ドル安のタイミング」が必要です。そしてドルが弱くなれば、逆に円高になる可能性も高くなります。為替市場の動きは、日本企業や個人投資家にも直接関わってくるテーマです。
だからこそ、為替や金価格、国際政治の動きに注目することが、これからの時代を見通す鍵になります。
これからの東南アジアと日本企業のチャンス
総じて言えるのは、アメリカが進める「逆グローバル化」は、すぐにこれまでのグローバル経済の流れを崩すわけではないということです。むしろ、地域ごとの統合を一層加速させる可能性が高いでしょう。
そして、これから数年の間に、東南アジアの経済構造は大きく変わるかもしれません。その中で、日本の中小企業が中国だけでなく、ベトナムやインドネシア、マレーシアなど、東南アジアの国々にも新しい市場を見つけていくことが期待されます。
例えば、中国の中小企業はすでに、アマゾンや楽天、Temuを通じて日本市場に進出しています。同じように、日本の企業もShopeeやLazada、Tokopediaといった地域プラットフォームを活用し、新たな販路を切り拓いていくことができるはずです。

世界が変わるとき、そこには新しいチャンスが生まれます。これからの動きを、冷静に、でも前向きに見つめていきましょう。

